【富田林市】長屋の一角で15年。ペルー料理店「LAZOS」に集まる、食と“好き”の話

富田林市甲田の長屋の一角にある「LAZOS(ラソス)」。路地の通りに面した窓から旗が翻っています。

入口にまわると、住居の雰囲気が漂うなかに看板を発見。

この隠れ家感たっぷりの場所で、ペルーの家庭料理を提供しています。なかなかお目にかかれないジャンルのこのお店には、エンパナダやアヒ・デ・ガジーナといった名前が並んでいます。

エンパナダは、ミンチなどの具材を生地で包んで焼き上げた料理。アヒ・デ・ガジーナは、ペルーの黄色い唐辛子を使ったとろみのある鶏のスープです。唐辛子と書いてありますが、パプリカに近いものらしく辛くはないとのこと。

食べる機会が少ないからこそ、いろいろ試してみたいという方におすすめされているのがコンボプレートです。5種盛、6種盛、9種全部盛があり、かなりのボリュームで、どこから食べ進めても楽しめる一皿になっています。頼んだ6種盛には、ペルーの国民食ともいえるミラネサ(下の写真のお皿右側)も入っています。イタリア移民が持ち込んだとされるミラノ風のカツレツが現地に根付いた料理です。

このあとにいただいたレモンパイもペルーではおなじみ。名前こそ初めて聞くものも多いですが、カツレツやレモンパイと言われると全く知らない食べ物ではなさそうです。南米料理を勝手にスパイスが効いた味つけだと想像していましたが、そこまでスパイシー感はありませんでした。日本人にはあまり馴染みのない味わいだけれど、不思議と手が止まらず、あっという間に完食してしまいました。

この魅力的なペルー料理のお店を開くきっかけを尋ねてみたところ、店主のAyumiさんのご主人がペルー出身だといいます。もともと料理も好きだったそうで、現地の料理人から直接教わったレシピをもとに、店の味をつくってきたそうです。

では、なぜこの場所だったのか。本当は大阪市内での出店も考えて物件を探していたものの、思うような場所に出会えなかったこともあり、「まずは手の行き届く範囲から始めよう」と、この長屋を選んだとのこと。一人で営業されているため、オープン当初は仕込みが追いつかず、「広い場所を借りなくてよかった」と感じたこともあったそうです。

目立つ立地ではない中でも、評判が評判を呼び、2025年6月には15周年を迎えました。料理のおいしさもさることながら、店内に漂うのは、Ayumiさんの元気で明るい空気。ひとりでふらっと立ち寄る方も多く、食事というより、Ayumiさんに会いに来ている方も少なくありません。

少し前に店内のレイアウトを一新したそうで、お客さんが訪れるたびに「Ayumiちゃん、めっちゃいいやーん。すごーい」と歓声をあげるほど。隔てのない関係性が垣間見えます。

イベント用に手作りの寄席がある2階の様子
その関係性のつながりには、料理以外に、音楽と落語に秘密がありました。推しのバンドと落語家がいるそうで、「好きが高じて、お店でイベントを開きたくなった」と話します。弾き語りや寄席を行っていたそうですが、店内はバンドがライブをするには手狭で、近隣への配慮も必要になる。そこでひらめいたのが、「会場を借りて、音楽イベントをやろう」という発想でした。

エンパナダをメインにデザインされた昨年のチラシ
推しのバンドを、もっと多くの人に知ってもらいたい。“好き”だからという思いで行動をはじめ、音楽イベントの開催が決まりました。どうせなら広い場所でと会場に選んだのが、すばるホール。昨年10月に「Culture Cruising(カルチャークルージング)」として行われ、今年もすでに会場を押さえているとか。2026年10月25日(日)を予定しており、今回で4回目の開催となるそうです。

「好きなものを、好きな人たちに伝えたい。元気をもらっているから、今度は返したいんです」と話すAyumiさん。音楽も、落語も、食事と同じように、誰かと一緒に楽しむものだといいます。私費でのイベント開催になることからも、その思いの強さがうかがえます。

店内奥にある推しグッズを並べた棚
Ayumiさんが推すそのバンドとは「私の思い出」。代表曲の「おにぎりユニバース」では、振り付けをみんなで踊るのが恒例になっているそうで、常連客の中には、すっかり踊れるようになった方もいるのだとか。

もうひとりの“推し”は、落語家の桂九ノ一さん。この音楽イベントではMCとして参加してもらっているそうです。

料理を目当てに訪れたはずが、いつの間にか音楽や落語の話で盛り上がる。LAZOSは、食事をする場所であると同時に、“好き”が集まっていく場所なのかもしれません。
訪れる際は、席数に限りがあるため、LINEでの予約が案内されています。
- 住所
- 〒584-0036 大阪府富田林市甲田1丁目3−28
- 営業時間
- 昼11時30分~16時頃(ラストオーダー15時)
夜17時30分~20時30分(ラストオーダー19時)
※夜営業のある日はInstagramで要確認
※売り切れ次第close - 定休日
- 月・火・不定休あり
- 電話番号
- 090-9165-6380
- 関連リンク
※情報は取材当時のものです。来店の際は公式情報をご確認ください。






