【河内長野市】今週末、蝋梅の花が見ごろ。流谷ツアーで出会った、千年続く村の営み

流谷ツアー

天見駅から紀見峠方面へ向かう高野街道を少し西に入った、山あいの集落「流谷」。葛城修験道の経塚があり、千年以上の歴史をもつ村です。

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その地域で育った女性が、村を案内するツアーをされていると知り、参加してきました。

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その女性がKannaさんです。フランスやスペインなどを旅した経験から、好きな英語を生かして、生まれ育った村を案内したいと思い立ち、2年ほど前にツアーをはじめたとのこと。もちろん、日本語でもツアーを受けてくれます。天見駅で待ち合わせをして、1時間20分ほどかけて流谷をいっしょに巡ります。

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村奥にある「蝋梅の里」を目的地にした散策ツアーで、流谷の入口あたりにある流谷八幡神社や、キリシタンの名が彫られているとされる十三仏など、村の歴史スポットに立ち寄りながら進みます。

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今回、参加者は私だけだったので、村の歴史に詳しい方にもお話を伺う機会を特別にいただきました。例年1月中旬から2月上旬にかけて、蝋梅の里では見ごろを迎えるそうで、ツアーもそれ目当ての方に向けて組まれています。今年は1月25日くらいがピークだとKannaさんは予想されています。

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駅を出発してすぐ、さっそく蝋梅の花を見つけました。ツアー時は1月中旬で、この蝋梅は5分咲き程度でした。蝋梅は、花びらが蝋細工のような質感でうっすら透けています。

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花びらと花芯が同じ黄色で、丸みも帯びているので、福寿蝋梅でしょうか。蝋梅にも種類があり、花芯の色や花びらの形などで見分けるそうです。素心蝋梅、福寿蝋梅、満月蝋梅などがありますが、共通して豊かな甘い香りが特徴です。多くの蝋梅が咲く里への期待度も高まります。

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高野街道の交差点・出合ノ辻を渡り、村方面に延びる道を進みます。この交差点は、南北朝時代の古戦場で、南朝軍と北朝軍が戦ったと伝えられる「安満見合戦(あまみがっせん)」の地とされており、交差点名の由来にもなっているとか。

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道すがらお堂が見えてきました。Kannaさんいわく、「このお堂では一生に一回だけ願いを叶えてくれるから、願いをひとつ決めたらお願いしなさい」と、小さい頃に村の人から聞いたとのこと。

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まだツアー序盤のため、帰り際にお願いすることにして、先を進みました。

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のどかな風景が続きます。流谷といえば棚田で知られていますが、昨今は担い手も少なくなってきて、田んぼを畑にして小麦を手掛けたり、花を栽培したりと、景観もかなり変わってきているそうです。

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中出橋という橋を越えると、大きな鉄釜が置かれていました。昔になにかで使われていたものでしょうか。

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カラスウリの赤い実も見つけました。玄関先の彩りに飾ったりすることもあると、Kannaさん。

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村には原種の柿や栗の木なども自生していて、昨年まではお正月用に村中の南天を出荷していたといいます。

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自然豊かな土地の恵みが、当たり前にある光景です。

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趣深い暮らしの一端を感じながら進んでいくと、天見川に架けられた朱色の橋が見えてきました。

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その先が、流谷八幡神社です。

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ちょうど1月10日に勧請縄かけ神事で、掛け渡されたばかりの約200尺(およそ60メートル)もある注連縄が橋に沿って見られます。

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創建1039年の流谷八幡神社は、京都石清水八幡宮より八幡神が勧請されたことを起源とされています。本来、勧請縄かけ神事は、勧請された日と伝わる1月6日に行うものだそうで、村に結界を張る役目があります。また、注連縄が例年より1日でも長く残ると、その年は豊年になるといいます。毎年欠かさず神事を続けてこられた村の方々。天見川に架け渡された注連縄を見るだけで、とても神聖で厳かな印象を受けます。

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境内には、樹齢700年ともいわれる大イチョウをはじめ、歴史を感じさせるような大木がそびえています。

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遠近感がおかしいように感じてしまいます。

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神社の拝殿でお参りをしたあと、裏手に回って、階段下から本殿も見ることができます。

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拝殿内には、湯立神事に使われていた鉄製湯釜のレプリカが展示されていました。

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レプリカでも80年近く経っているとか。本物は、1336年に後醍醐天皇から寄進されたといわれており、およそ690年前のものになります。今は大阪市立美術館へ寄託されているそうです。

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蝋梅の里をめざして先を急ぎます。

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樹々の木漏れ日を楽しみながら、陶芸をされている方の自宅前を通ります。

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窯で使う薪がたくさん積まれていました。

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しばらく進むと、葛城修験の第17経塚の入口がありました。

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もう少し先に第16経塚もありますが、すべて回る時間もないため、今回はどちらも割愛します。

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第16経塚に関しては、入口付近から30~40分ほどかかり、道も迷いやすいとのことで、一般の方が一人で訪ねるには少々厳しいかもと、村の方がおっしゃっていました。

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棚田が見えてきました。山の斜面に沿った段々。田植えの時期ではないにせよ、人の営みを感じ、立ち止まってしばらく眺めていました。

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途中、村の歴史に詳しい方のお家にお邪魔しました。さきほどの流谷八幡神社や、これから行く十三仏、薬師堂、観音堂のお話をたくさん聞かせていただきました。

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流谷地区の区長も務められた方で、歴史深い流谷をとても誇りにされていて、ご自身のお家も250年以上前に建てられたものとのこと。道中、家が川そばにあることが多いと感じ、質問させていただくと、昔は家よりも田んぼを大切にされていたため、谷合の村では川そばに家を置くことが多かったそうです。今では考えにくいですが、そういう価値観も、時代とともに変わってきたことがうかがえます。

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お話のお礼をしたあと、十三仏と薬師堂の場所へ。

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掲示板にKannaさんのツアーチラシが貼られていました。

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細い路地裏のようなところを抜けた先に、十三仏と薬師堂があります。

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十三仏の石碑には、キリシタンだと考えられるシタニ、テウロ、浄金文の3つ名が刻まれています。石には13体の仏が彫られているのですが、イエス・キリストと直弟子の十二使徒を表しているのではないか、という見方もあるそうです。また看板には書かれていませんが、3つに割れていた石碑は、実は4つだった可能性もあるとか。

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石碑の右上部分がどうしても見つからなかったと、さきほどお話を伺った方から聞きました。この石碑を修復したときに、ちょうど区長を務めていた時期だったようです。

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向かいにある流谷区集会所は、かつてあった月輪寺の跡に建てられました。長らく月輪寺跡に放置されていた石碑。その石碑の一部が、どこかにまだ埋まっているかもしれません。

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そばにある薬師堂もお参りします。周辺もきれいに清掃されていて大切に守られていることが伝わってきます。

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どなたかの家の庭先に、お正月の縁起物・千両と万両が実っていました。

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実が上向きについているのが千両、下向きが万両です。

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第16経塚を通り過ぎると、もうすぐ蝋梅の里です。Kannaさんが「もう香りが漂っていますね」と伝えてくれました。香りのする方向に二人で歩いていきます。

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蝋梅の里に到着しました。

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スロープ沿いに蝋梅の木が並んでいます。

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この日は4分咲き程度でしたが、大きく開いている花もあります。満月蝋梅でしょうか。駅近くに咲いていたものとは少し色と形が異なります。

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スロープをあがりきると、こちらは6分咲き。

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あたりには甘くてやさしい香りが立ち込めています。

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満開になれば、蝋梅の花が咲き乱れ、その一面の黄色が、空色に映える様子が思い浮かびます。

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この蝋梅は、今から35~6年前に地主の方が植えたもので、訪れる人に喜んでほしいと毎年丁寧に管理されているといいます。

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※提供:Kannaさん

少し時期が進んだ3~4月頃になりますが、敷地の上のほうには山茱萸も植えられていて、こちらもきれいな黄色の花が楽しめます。

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そこからさらに上へあがると、お不動さんが祀られているとのこと。向かっている途中に、あまみ温泉 南天苑の方に出会いました。

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勤めてもう10年にもなるというギャリーさん。穴場のビュースポットを教えてもらい、お不動さんのほうへ。

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地主の方のお家の横を通らせてもらい、ちょっとした山登りがはじまります。

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ギャリーさんに教えてもらったビュースポットに一旦到着。山茱萸の木立が見えます。確かに時期になるとここの景観は格別でしょう。

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そのまま先に山道を進んでいくと、ポツンとお不動さんが祀られている場所に着きました。

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修験道のお札が置かれています。ギャリーさんが去り際に、第16経塚のオリジナルはひょっとしたらこっちかもしれませんと言われていました。

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村では8月28日にお参りされ、餅まきを行う風習があるそうです。

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最後に、蝋梅越しの観音堂。150~200年の歴史があると聞いています。年に一度、8月18日の夜に開帳して、100本のろうそくを灯し、お堂内で村人たちが般若心経を唱えるそうです。

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いつから始まったのか、暮らしの延長にある風習などから、流谷の歴史の深さを体感することができました。

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天見駅近くのお堂まで戻り、一生に一回だけのお願いごとをしました。Kannaさんとの旅は、これでおしまいです。村の人からもらった柑橘類を半分こ。また会えることを願ってお別れしました。

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実はKannaさん、2026年5月に遠方へ引っ越される予定で、ツアーもそれまでになってしまうとのこと。残念ですが、新たな門出なので仕方ありません。

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流谷に訪れる際、ツアーのように天見駅から歩いて散策できます。

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車で来られる際は、流谷八幡神社の駐車場に停めるのが安心です。Kannaさんが管理するサイトでは、ほかに停められるところも案内されていますが、私有地や公道になるため、利用できるかどうかは現地での判断となります。

南海高野線天見駅はこちら↓

流谷八幡神社はこちら↓

Kanna’s Guide Tour/流谷 広報担当
営業時間
11時~17時
定休日
不定休(2026年5月頃より活動休止予定)
関連リンク

※情報は取材当時のものです。来店の際は公式情報をご確認ください。

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