【富田林市】人生初の“初日の出”はここで決まり! 市内で一番高い山「金胎寺山」は、30分ほどで登れる穴場スポットです。

初日の出を見に行くチャンスは、人生で何度訪れるのでしょうか。富田林市民で登山が好きな方なら、金剛山を思い浮かべる方も多いかもしれません。ただ、登山に慣れておらず、年末の忙しい最中、遠くまで足を伸ばしてまで……と考える方の気持ちもわかります。もし、まだ初日の出を見たことがないという方がいれば、地元の絶好スポット「金胎寺山(こんたいじさん)」でデビューしてはいかがでしょう。

標高296.4メートルの富田林市で一番高い山ですが、実は30分ほどで登頂できるとのこと。初心者でも気軽に登れる穴場スポットなのです。金胎寺山には、金剛山ほど多くはありませんが、熱心なファンもいます。四季折々の風景を写真に収めるため、何度も足を運ぶ人もいるほどです。山頂での眺望もすばらしく、富田林市内はもとより、隣の河内長野市を一望でき、晴れていれば、淡路島や明石海峡大橋、六甲山まで見渡せるそうです。

登山口は、近鉄河内長野駅と汐ノ宮駅区間の中間あたりに位置します。初日の出を見るには、夜の暗いうちに登ることを想定しますが、金胎寺山は登頂まで30分足らずなので、うっすら明けてきた時間からでも日の出には十分間に合います。山頂では葛城山と金剛山のシルエットが並び、その稜線から放射線状に広がる光芒は、何ともいわれぬ美しさです。

行ってみようかなと思った方に向け、金胎寺山で初日の出を見るためのタイムスケジュールをここに記しておきます。比較的登りやすい山ですが、舗装された道ではありませんので、ご自身の状態を考慮のうえ、登られるか判断されたほうが安全です。目安にはなりますが、5歳の子どもでも、ゆっくり歩けば登ることができました。国立天文台によると、2026年1月1日(木)の大阪府の日の出の時刻は、午前7時05分の予想。稜線を超えるまでを加味すれば、7時30分頃になりそうです。この記事では、少し余裕をもったスケジュールでお届けします。

午前6時15分、腰神神社の駐車場に到着しました。保全活動をされている嬉城山クラブの案内板で指定されている駐車場です。神社にはトイレがあるので、ここで済ませておくと安心です。駐車場を背に、前の道を左手にまっすぐ進んで登山口に向かいます。

空がうっすら藤色に染まっています。ただ、辺りはまだ暗いです。

午前6時22分、金胎寺山登山口へ向かう曲がり角です。

ここに登山道の案内板があります。

道に沿いながら、ところどころにある道しるべの通りに進みます。

この時間には、ヘッドライトもしくは手持ちのライトが必須かもしれません。

ライトを消すと真っ暗。

午前6時29分、金胎寺山(城山)登り口まで来ました。

イノシシ除けに鈴が用意されていて、竹の杖も置いてあります。

金網のゲートを開けて入山します。

周囲は自然林のため、火の元には十分に注意しましょう。

午前6時36分、金胎寺跡のあたりです。真っ暗で何も見えませんでしたが、10棟の建物が並んでいたとは想像がつかないような状態です。

真っ暗な道を進みます。夜の登山がはじめてなので、正直そわそわしています。早めに出発したので、もう少しあとの時刻だとうっすら明るいと思います。

午前6時44分、馬廻しの場所まで来ました。山城が機能していた頃、ここで馬がつながれていたようです。

午前6時46分、辺りが明るくなってきました。頂上まであと15分。

午前6時48分、楠木軍兵舎跡です。あたりは竹やぶのみ。

道中の地面から地下茎がぽこぽこ出ていて、落ち葉で見えにくいため、一度はトラップにひっかかります。

視界が開けてきました。頂上が近いのかもしれません。

樹々の間から町も見えます。かなり登ってきたことを実感します。

午前6時57分、中間展望台に着きました。

町はすでに朝の気配に包まれています。

午前7時00分、桜公園を横目に、山頂へと進みます。桜の季節には満開の花びらで埋め尽くされているのでしょうか。

もうすぐ山頂です。

午前7時02分、登頂しました! 西の空には、地平線に溶け込むようなグラデーションが広がっています。

山頂部は広場のようになっていて、いくつかベンチが置かれています。

登山記録簿が入っている木箱も設置されていて、蓋を開けると、素敵なメッセージで迎えてくれました。

「最高です!」と心でお返事。

午前7時10分、東側の景色には、葛城山(左)と金剛山(右)のシルエットがそびえています。空はオレンジ色で金剛山のあたりが太陽の光で少し白くなっているのがわかります。

水筒に入れたあったかいコーヒーを飲みながら日の出を待ちます。誰かの置き土産などを見ながら山頂の時間をゆっくり過ごします。登山後は汗が体を冷やすため、風邪をひかないようタオルで汗を拭いたり、あたたかい服装で臨まれたり、状況に応じて準備されることをおすすめします。

(C)Photographer Toshiki Katayama
午前7時30分、ついに輝くような光が出てきました。太陽の光にこんなにも感動したのははじめてかもしれません。

午前7時33分、薄暗かった地面に陽の光が差し込んできました。

(C)Photographer Toshiki Katayama
午前7時40分、太陽の姿がすべて現れました。周囲が急にあったかくなった気がします。

西側の町並みにも光が回り、建物の輪郭もくっきり見えています。

(C)Photographer Toshiki Katayama
稜線からほんの少し姿を見せただけで、強い輝きを放つ太陽に、思わず息をのみました。すべての姿が現れるまで、じっと見守るひとときは、まるで時間がとまったかのようでした。この境目にある美しさを、こんな身近な場所で体験できるなんて、非常にありがたく感じます。

下山後は鈴を返し、整備されている方への感謝をこめて、協力募金箱へお気持ちを。

明日の元旦は曇り予報ですが、一縷の望みをかけてチャレンジするのもひとつ。山頂からの眺望を前にすれば、きっと後悔はしないはずです。

(C)Photographer Toshiki Katayama
新しい一年の始まりに、静かな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
金胎寺山(城山)登り口はこちら↓





