【河内長野市】人脈がつないだ新しい試み。国産つまようじを製造する「菊水産業」が、新会社を設立してまで、日本のものづくりを海外へ届けようとしたきっかけ。

菊水産業 てとてLinks

河内長野市高向にある菊水産業株式会社は、国産つまようじなどを製造する中小企業です。かつて地場産業として栄えたつまようじづくりも担い手が減り、現在では地域最後の1社となりました。数々のメディアでも取り上げられ、SNSでは12万近いフォロワーを抱える同社。

菊水産業 てとてLinks

その発信の中心となっているのが、今回取材させていただいた代表の末延秋恵さんです。祖父の代で一度途切れた会社を復活させ、斜陽産業といわれる業界の現状を、自身の言葉で伝え続けてこられました。

菊水産業 てとてLinks

※提供:株式会社てとて様(プレスリリースより)

そんな末延さんが、株式会社ワサビと越境ECサイト「てとてLinks」を共同で開発しました。2026年1月15日から、日本のものづくりを海外へ届けるための新たな環境を提供します。ワサビは、既存のECシステムを生かす形で、このサイトを支えています。

菊水産業 てとてLinks

※提供:株式会社てとて様(プレスリリースより)

この取り組みでは、海外販売に必要な手続きや物流、海外ECモールとの調整といった複雑な業務をまとめてサポート。国内のものづくり企業が個別に対応する場合と比べ、負担を大きく軽減できる仕組みとなっています。

この越境ECサイトの運営・管理は、ワサビと合弁で設立した「株式会社てとて」が行います。末延さんは、この新会社でも代表を務められます。

菊水産業 てとてLinks

※提供:株式会社てとて様(プレスリリースより)

ワサビ代表・大久保さんとは、共通の知り合いを介して出会いました。友人関係から始まり、菊水産業の事業展開について相談したり、ワサビのSNS運用などを手掛けたり、互いの強みを生かしながら支え合う関係を築いてこられたといいます。

そんな折、菊水産業ではフランスの大福屋から「菊水産業の伝統的なつまようじでなければならない」と声がかかり、取引が始まりました。海外から個人での注文もぽつぽつと入ってきます。また、付き合いのある企業からも同様の話を耳にしましたが、海外発送の手続きなどが壁となり、実務経験のある末延さんがサポートしたケースもあったそうです。

海外マーケットが少しずつ身近に感じられるようになった頃、クアラルンプールに住む友人から、こっちで日本のイベントをしないかと持ち掛けられます。好機と捉え、すぐさまものづくり企業の仲間とともに現地へ。泉州のタオルや八尾の化粧ブラシ、金型を活用したカトラリーレストなど、日本から持ち込んだ商品は、次々と売れていきました。日本国内では市場が縮小する中、ものづくりの価値が海外ではきちんと届いていることを、目の当たりにしたといいます。

菊水産業 てとてLinks

※提供:株式会社てとて様(プレスリリースより)

この出来事を大久保さんに話したことが、「てとてLinks」誕生へと話が進む転機となります。越境EC市場は今後も拡大が見込まれており、国内のものづくり企業にとって、海外販路の確保は生き残りを左右する重要な要素といえるでしょう。一方で、多くのものづくり企業は中小規模のため、本業のかたわら複雑な手続きに対応できる人材が不足しているのも現実です。「てとてLinks」は、そうした課題を乗り越え、日本のものづくり技術や伝統を次世代につなぐための一つの手立てになりそうです。

まだ海外展開を本格的に考えていない企業でも、このサイトを通じて、海外での反応を確かめてみる“お試し”として活用できます。出品には審査があるため、まずは自社製品が対象となるか、相談からはじめてみてはいかがでしょうか。サイトの詳しい内容については、プレスリリース、または「てとてLinks」公式サイトをご確認ください。

菊水産業 てとてLinks

※提供:株式会社てとて様(プレスリリースより)

末延さんの人脈から始まった、この新しい試み。周囲の人を惹きつける、その前向きな姿勢が、多くの縁をつないできたことが伝わってきます。末延さん自身は、菊水産業の従業員をはじめ、いつも誰かに支えられていることへの感謝を忘れないと話します。最後に、「てとてLinks」について、「つくり手の丁寧な仕事と想いが、世界中のお客さまの“欲しい”とつながっていくことを願っています」とコメントされています。

菊水産業株式会社はこちら↓

プレスリリース

号外NETの広告出稿はこちら

号外NETメルマガ

号外netは持続可能な開発目標(SDGs)を支援します

号外netへの提供提供求む!